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医学部志望 大阪の予備校情報
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 即戦力のプロを育てるための共通試験が広がりを見せている。

 師走に入ってすぐの日曜朝。国際医療福祉大学(栃木県大田原市)薬学部の空
気は張りつめていた。

 「課題を始めてください」というアナウンスが流れると、白衣姿の3年生が
「き、きょうは、どうされましたか」と対面する患者役の女性に呼びかける。同
じように上ずった学生の声が、ついたてで隔てた隣からも聞こえた。

 薬学部は、病院や薬局での実習を充実させ、即戦力を育てる目的で、昨年度か
ら6年制になった。この日の試験は、実習前にプロとして必要な知識、技術や患
者への応接態度などの習得状況を問う。全国の薬科大学や薬学部で設立した薬学
共用試験センター(東京・渋谷区)が開発した共用試験だ。

 応接態度や調剤、注射剤の混合など六つの課題が盛り込まれた実技試験(OS
CE=オスキー)と、コンピューターを使った基礎知識テスト(CBT)で構成
され、双方に合格しないと臨床実習に進めない。2010年に本格実施に移すた
め、全国の大学が昨年から試行を重ねている。

 学生たちの様子を見守る国際医療福祉大学の武田弘志薬学部長(54)は「学
生の資質を高め、その資質を保証できる試験にしなければ、6年制になった意味
がない」と力を込める。
 問題は評価の公正さだ。評価者によって差が出かねないため、センターではこ
の夏、2回にわたり、全薬科大・薬学部から教員計約80人を集めて講習会を開
き、評価の統一化を図った。

 例えば応接態度では、言葉遣いの丁寧さ、声の大きさ、わかりやすさなど約2
0項目に限定したチェック方法が取り入れられた。最大の目標を、薬剤師として
日常業務がきちんとこなせることに置き、主観や経験則に基づく評価を除きやす
くする試みだ。

 評価者は学生1人に対して2人。小規模大学では評価者育成が急務となる。実
際、国際医療福祉大学は、自前の教員35人では足りず、試験当日には関連病院
や県薬剤師会、他大学から約50人の薬剤師、教員を評価の応援に招いた。連携
は欠かせない。

 薬学より先に行われている医学や歯学の共用試験は、教育改革の起爆剤になろ
うとしている。

 試験作りの研究は約20年も前に始まり、02年からの試行を経て05年に本
格的に実施された。年々、学生の成績は上がっている。試験を作成する医療系大
学間共用試験実施評価機構の福田康一郎副理事長(65)によると、結果をもと
に、カリキュラム改革や個々の教員の授業改善につなげている大学も少なくない。


 効果をさらに上げるために、機構では、試験対象の学年を、現行の4年次だけ
でなく2年後の卒業時まで広げたい考えだ。「社会に出ないと医療人は育たない。
社会に受け入れてもらうために、我々教育現場が品質保証をしなければ」と福田
さん。

 現場発の実力向上策が、静かに広がっている。(松本美奈、写真も)

 急増で定員割れ目立つ 薬学部の6年制への移行に伴い、私立薬科大や薬学部
の新設が相次ぎ、薬学部の数は2004年の46から72に急増。私立大では0
2年入試で7780人だった入学定員が07年には1万1804人に急増した。
その結果、今春には、私大薬学部の5校に1校が定員割れに陥っているとされ、
将来の薬剤師の質の低下が懸念されている。

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