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医学部志望 大阪の予備校情報
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 人間の体は、約60兆個ある細胞でできあがっています。この細胞が突然変異
を起こしてがんになるのです。詳しく言えば、遺伝子(注)の突然変異です。


 60兆個もある細胞ですから、毎日いくらかの細胞は突然変異を起こしていま
す。その個数は年齢とともに増加し、喫煙、飲酒、放射線などでも増加すると考
えられます。


 ですから、年齢とともにがんはできやすくなり(成人病)、喫煙、飲酒など悪
い生活習慣でもまたできやすくなるのです(生活習慣病)。ただし、突然変異の
細胞がすべて、がん細胞に変わるわけではありません。そのごく一部が、がん細
胞になるのです。その一つのがん細胞が、増殖していきます。


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 「がんは遺伝する」と言われたりします。


 しかし、親が○○がんであるから、子供が必ずがんになるということはほとん
どありません。一部のがんでは、がんになる確率を高める遺伝子が最近明らかに
なってきました。また、遺伝子も、健康な人の間で血液型のように何種類かの型
に分類され(遺伝子多型)、それぞれの型でがんになる確率が異なることも分か
ってきました。


 しかし、がんになりやすい遺伝子型を持っていたとしても、がんになる確率が
ある程度高くなるに過ぎません。結局、多くのがんでは、その原因の大半は、遺
伝ではなく環境的要因によると考えられています。


 たとえ、親と子が、がんにかかったとしても、それは「遺伝」より、「同じ環
境で過ごした」ことの影響が大きいのです。


 さて、がんの発生に対する遺伝と環境の影響の「力関係」は、どのようなもの
でしょうか。


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 ここで00年に「ニューイングランドジャーナルオブメディシン」という有名
な医学雑誌に掲載された双子の追跡調査研究を紹介しましょう。


 一卵性双生児では、兄弟が100%同じ遺伝子を持っているのに対して、二卵
性双生児では一つの遺伝子が同じ確率は50%です。そこで、兄弟が2人とも同
じがんになる確率が、二卵性より一卵性の双生児で高ければ、「遺伝の影響が大
きい」ということになりますね。


 これに対し、この確率が、二卵性でも一卵性でも変わらなければ、「環境の影
響が大きい」ということになります。


 研究グループがスウェーデン、デンマーク、フィンランドの北欧3カ国で、1
886年~1958年に生まれた同性の双子4万4788組を追跡調査したとこ
ろ、これらのうち、9512組の1万803人が、がんになっていました。


 このデータから、がんの発生に対する遺伝的要因の大きさを推定しました。

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 その結果、遺伝の影響は11のがんの原因の0~42%を占めると推定され、
その数字が大きい順に、前立腺がん(42%)、大腸がん(35%)、乳がん
(27%)でした。


 ただし、この結果もあくまで「双子という特殊な状況での結果」という考えが
あり、真実はいまだ霧(きり)の中です。


 がんの発生に、環境(生活習慣など)が大きく関係することをグラフで示しま
した。日本人に多いといわれる胃がんの発生(罹患<りかん>)率をみたもので
すが、ハワイ日系人の発生率は日本国内に住む日本人より低く、ハワイ在住の白
人より高くなっています。


 つまり、ハワイ在住の白人に近づくのです。しかも2世より3世、3世より4
世が、よりハワイ在住の白人に近づきます。このような傾向は他の多くの病気で
もみられます。


 日系人の生活(食生活など)が、ハワイのそれに近づいたことで生じた現象と
考えられます。環境の影響の大きさを示すものです。


 がんが「生活習慣病」と呼ばれることの意味、つまり、生活習慣(ライフスタ
イル)の改善で、がんはある程度予防できるということを、ご理解いただけたか
と思います。


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