医学部志望 大阪の予備校情報
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医学部でコミュニケーションを学ぶ授業が広がる。
木曜午前9時、すぎの子保育園(徳島市)に、エプロンを着けたジャージー姿
の男女が集まってきた。その数49人。園児の半分ほどにもなる。すべて医学生
だ。「お兄ちゃーん」と駆け寄る男児に男子学生のほおが緩む。学生たちは約2
時間、ままごとやリズム遊びをしたり、一緒にクリスマスのブーツを作ったりし
て園児と過ごした。
地元の徳島大学が昨年度から、医学部の1年生に始めた「ヒューマンコミュニ
ケーション」の授業だ。コミュニケーション授業には、2004年度から、教養
教育の一環で取り組んできたが、「講義や学生同士の演習だけでは効果が薄い」
と悩んでいた。そんな時、鳥取大学の高塚人志准教授が、高校や医学部で実践し
てきた手法に出会い、実習の導入を決意した。
それぞれが園児とパートナーを組み、週1度、10週にわたって交流する。園
児になつかれずに悔し涙を流す学生もいるが、同保育園の中川千昌園長(50)
は「人見知りの時期もあるから大丈夫。子供たちも学生さんも毎回表情が違って
きています」と励ます。
「喜んでもらえることがこれほどうれしいとは思わなかった」「パートナーが
心の底から信じ、すべてを受け入れてくれている」――。リポートにも学生の心
の変化が綴られている。
医療教育開発センター副センター長の寺嶋吉保准教授(53)は「今の学生は、
勉強はできるが、核家族化や少子化のせいか、世代の違う人、特に高齢者や子供
との会話が苦手な学生が多い。学生同士も互いに深く干渉しない傾向が強いが、
実習で仲間意識もできてきた」と意義を強調する。
こうした保育園での実習は、岐阜大学も来年度から導入を検討している。
医学部 受験 予備校
患者の気持ちに寄り添える医師を育てなければ、という問題意識は、どの大学
も共通している。
埼玉医科大学(埼玉県毛呂山町)では、医学部の「臨床入門」の1年生の授業
で、昨年から年1回、東京・杉並区立和田中学校の藤原和博校長(52)を招き、
現代社会の様々な課題を学ぶ「よのなか」科の授業を経験している。
10月に行われた今年の授業には地域住民も参加、自殺志願者とそれを止める
側を演じ分け、「安楽死」の是非も議論した。学生の意見の大半が否定的だった
が、身近な人の死をみとった経験から「安楽死」に肯定的な年配の女性の意見を
耳にして、「自分の見方は偏っていたかも」と感想をもらす学生もいた。
「違う世代や考え方が異なる人と話す経験の重要さは、中学生も医学生も同じ
だ」と藤原校長。
医学部 受験 予備校
京都大学でも今年度から、医学部1年生に「医療ボランティア実習」を必修化
した。夏休みや授業の合間に、車いす介助や外来の案内係、訪問看護の手伝いな
どを経験する。
先月、京大付属病院の外来案内に立った佃綾乃さん(19)は8歳で阪神大震
災に遭遇。一時的に言葉が出なくなり、医師の支えで精神的ショックから立ち直
った経験から医学を志した。「病院が多数の人に支えられていることは、実習が
なければ実感できなかったかもしれない。初心を再確認できた」という。学生た
ちは、新たな経験に敏感に反応している。
しかし、徳島大では教員から「教えることがありすぎて講義時間が足りないの
に、どうしても必要な実習なのか」という声も根強くある。京大の実習責任者で
ある平出敦教授も「入学してすぐ経験してもらいたい実習で、実習先の評価も高
いが、学内での理解を広げるという点ではこれからが勝負」と打ち明ける。
新たな挑戦は、成果を示すという課題も突きつけられている
医学部 受験 予備校
進むカリキュラム改革
医学教育は近年、急速に改革が進んでいる。2001年、文部科学省の専門委員
会が示した教育内容の指針「モデル・コア・カリキュラム」が改革のはずみにな
った。
基礎医学を学んでから臨床医学に入るのではなく、両者の「統合カリキュラ
ム」の導入が進み、知識の伝達中心から、学生の自主学習を基礎にしたグループ
学習に移す大学が増えた。
中でも重視されているのが、医師として臨床能力の基礎となる人間性やコミュ
ニケーション能力、問題解決能力の育成だ。06年度からは、臨床実習開始前に、
診察態度や基本的な技術をみる実技試験(OSCE=オスキー)が全国80の全
医学部に正式導入された。OSCEとコンピューターを使用した基礎知識テスト
(CBT)の両方に合格しなければ臨床実習に進めない仕組みだ。共用試験は歯
学部でも実施しており、薬学部でも10年から正式に導入される。
また、医学生の臨床実習も、見学型ではなく、実際に診療に参加する「クリニ
カル・クラークシップ」が主流。昨年の全国医学部長病院長会議の調査では9割
の大学が導入している。
04年からは36年ぶりに、臨床研修制度が変わった。医学の専門分野が細分
化された弊害を克服するため、医師国家試験の合格後、2年間は内科や外科、小
児科、産科など、基本的な診療科を回る研修を必修化することで、総合的な臨床
能力を養おうとしている。
木曜午前9時、すぎの子保育園(徳島市)に、エプロンを着けたジャージー姿
の男女が集まってきた。その数49人。園児の半分ほどにもなる。すべて医学生
だ。「お兄ちゃーん」と駆け寄る男児に男子学生のほおが緩む。学生たちは約2
時間、ままごとやリズム遊びをしたり、一緒にクリスマスのブーツを作ったりし
て園児と過ごした。
地元の徳島大学が昨年度から、医学部の1年生に始めた「ヒューマンコミュニ
ケーション」の授業だ。コミュニケーション授業には、2004年度から、教養
教育の一環で取り組んできたが、「講義や学生同士の演習だけでは効果が薄い」
と悩んでいた。そんな時、鳥取大学の高塚人志准教授が、高校や医学部で実践し
てきた手法に出会い、実習の導入を決意した。
それぞれが園児とパートナーを組み、週1度、10週にわたって交流する。園
児になつかれずに悔し涙を流す学生もいるが、同保育園の中川千昌園長(50)
は「人見知りの時期もあるから大丈夫。子供たちも学生さんも毎回表情が違って
きています」と励ます。
「喜んでもらえることがこれほどうれしいとは思わなかった」「パートナーが
心の底から信じ、すべてを受け入れてくれている」――。リポートにも学生の心
の変化が綴られている。
医療教育開発センター副センター長の寺嶋吉保准教授(53)は「今の学生は、
勉強はできるが、核家族化や少子化のせいか、世代の違う人、特に高齢者や子供
との会話が苦手な学生が多い。学生同士も互いに深く干渉しない傾向が強いが、
実習で仲間意識もできてきた」と意義を強調する。
こうした保育園での実習は、岐阜大学も来年度から導入を検討している。
医学部 受験 予備校
患者の気持ちに寄り添える医師を育てなければ、という問題意識は、どの大学
も共通している。
埼玉医科大学(埼玉県毛呂山町)では、医学部の「臨床入門」の1年生の授業
で、昨年から年1回、東京・杉並区立和田中学校の藤原和博校長(52)を招き、
現代社会の様々な課題を学ぶ「よのなか」科の授業を経験している。
10月に行われた今年の授業には地域住民も参加、自殺志願者とそれを止める
側を演じ分け、「安楽死」の是非も議論した。学生の意見の大半が否定的だった
が、身近な人の死をみとった経験から「安楽死」に肯定的な年配の女性の意見を
耳にして、「自分の見方は偏っていたかも」と感想をもらす学生もいた。
「違う世代や考え方が異なる人と話す経験の重要さは、中学生も医学生も同じ
だ」と藤原校長。
医学部 受験 予備校
京都大学でも今年度から、医学部1年生に「医療ボランティア実習」を必修化
した。夏休みや授業の合間に、車いす介助や外来の案内係、訪問看護の手伝いな
どを経験する。
先月、京大付属病院の外来案内に立った佃綾乃さん(19)は8歳で阪神大震
災に遭遇。一時的に言葉が出なくなり、医師の支えで精神的ショックから立ち直
った経験から医学を志した。「病院が多数の人に支えられていることは、実習が
なければ実感できなかったかもしれない。初心を再確認できた」という。学生た
ちは、新たな経験に敏感に反応している。
しかし、徳島大では教員から「教えることがありすぎて講義時間が足りないの
に、どうしても必要な実習なのか」という声も根強くある。京大の実習責任者で
ある平出敦教授も「入学してすぐ経験してもらいたい実習で、実習先の評価も高
いが、学内での理解を広げるという点ではこれからが勝負」と打ち明ける。
新たな挑戦は、成果を示すという課題も突きつけられている
医学部 受験 予備校
進むカリキュラム改革
医学教育は近年、急速に改革が進んでいる。2001年、文部科学省の専門委員
会が示した教育内容の指針「モデル・コア・カリキュラム」が改革のはずみにな
った。
基礎医学を学んでから臨床医学に入るのではなく、両者の「統合カリキュラ
ム」の導入が進み、知識の伝達中心から、学生の自主学習を基礎にしたグループ
学習に移す大学が増えた。
中でも重視されているのが、医師として臨床能力の基礎となる人間性やコミュ
ニケーション能力、問題解決能力の育成だ。06年度からは、臨床実習開始前に、
診察態度や基本的な技術をみる実技試験(OSCE=オスキー)が全国80の全
医学部に正式導入された。OSCEとコンピューターを使用した基礎知識テスト
(CBT)の両方に合格しなければ臨床実習に進めない仕組みだ。共用試験は歯
学部でも実施しており、薬学部でも10年から正式に導入される。
また、医学生の臨床実習も、見学型ではなく、実際に診療に参加する「クリニ
カル・クラークシップ」が主流。昨年の全国医学部長病院長会議の調査では9割
の大学が導入している。
04年からは36年ぶりに、臨床研修制度が変わった。医学の専門分野が細分
化された弊害を克服するため、医師国家試験の合格後、2年間は内科や外科、小
児科、産科など、基本的な診療科を回る研修を必修化することで、総合的な臨床
能力を養おうとしている。
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